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2018.11.01 家庭用ゲーム 電撃オンライン
【電撃オンライン×βeater’s cafe連動企画】
プロデューサー直撃インタビュー第四回:二見プロデューサー(Vol.3)公開!
一番大変だったのは『ホロウ・フラグメント』!
▲二見 鷹介プロデューサー
- これまでの『SAO』シリーズの制作で、一番大変だった作品はなんでしょうか?
- 二見 『ホロウ・フラグメント』が、ダントツで大変でしたね。キャスト陣にとても迷惑をかけてしまいました(苦笑)。
- 先日、音響会社の方と話していて思い出したんですが、まずは伊藤かな恵さんに「ごめんなさい」を言わなくちゃいけません。『ホロウ・フラグメント』の時は、ユイ役の伊藤さんに説明セリフを録っていただいたときの件です。。
- 収録する台本を、直前の夜中の2~3時くらいまで直していて……。当日に台本を全部サシカエという事件が起こりました。
- 伊藤さんがプロで・・・泣けてきた・・・本当にがんばってくださって「読み込む時間をください」って1時間くらい読んでもらってから、収録しました。プロです…
それくらい、シナリオのスケジュールがひどかったんですよ。
キャストの皆様ごめんなさい。。。 - もちろん、川原先生や三木さんにも見ていただいて、少しでもいいシナリオにしようとした結果ではあるのですが、少々やりすぎてしまい、結果として伊藤さん&キャストの皆さんにはご迷惑をかけてしまったなと。
- そもそも企画が『インフィニティ・モーメント』のファンディスクというか、次第に規模やボリュームがふくらんで、結果的には新しい作品になってしまいましたのが問題ですが……。
▲要素は継承しつつも、まったく新しい作品となっていた『ホロウ・フラグメント』- 二見 ただ、こういう制作の仕方はもうやめるつもりです。現場も僕も大変だし、いろいろな方にご迷惑をかけてしまうので。ただ、そうした経験を積んで、勉強になった面はたくさんありましたが。なるべく仕事は早めにね!
- 『インフィニティ・モーメント』では、それまでノウハウのないロールプレイングゲームへとシステムを変えられたわけですが、その辺での苦労は?
- 二見 開発を担当されたアクリアさんもRPGを作るのが初めてだったので、当初は大変でしたね。逆に、一緒に始めた結果、今があるのかなとは思います。その先の『ロスト・ソング』や『フェイタル・バレット』に続くだけの土台は、『インフィニティ・モーメント』があってこそだと思います。
- いまだにシステム的な面で『ホロウ・フラグメント』の流れを汲むゲームを望む人は多いですよね。
- 二見 多いですね! ありがたいことですが、あんな思いはもうしたくないし、させたくないなと(笑)。出したくないわけではない!が、つらかった・・・のでゆっくり考えさせてください。(苦笑)
- 他に「これは成功したな!」という作品はありますか?
- 二見 う~ん、誤解されそうではありますが、“まったくない”ですね(笑)。これは電撃オンラインの生放送やインタビューでもちょいちょい口にしていますが、僕は終わった瞬間から、「あそこを直そう!」と考えてしまうタイプなんですよ。
- マスターを提出したあとなのに、アレ直したい、コレ直したいというのがどうしても出てきて……。あとはお客さんの反応やアンケートとかを見て、速攻で現場と修正……というより対応の話になってしまうんで、常に終わった感がないんですよね。
- これは、決して制作中に手を抜いているということではないんですよ。予算やスケジュールの問題で、どんなに理想的な環境で、マスターアップする瞬間は「この時点でできることは100%やったな!」と思っていても、時間が経つにつれて、直したいところや付け足したいところが出てきてしまうんです。
- コンシューマだと、アップデートがすぐにできないなどの事情があるとは思いますが、その辺のもどかしさみたいものは?
- 二見 あまりないですね。ただ、『フェイタル・バレット』は、ワールドワイドでやったこともあって、僕らの想定よりも時間がかかりました。日本で販売するよりも1カ月以上前からマスターを入れるような形で進行しないと、世界で同時発売できないんです。
- ゲームの『SAO』は『ロスト・ソング』から世界のお客さんに楽しんでもらう形になりましたが、もちろん日本は原点ですし、ゲームの『SAO』を待ってくださっている日本のお客さんにはとても感謝しています。
- その感謝の形を表したもののひとつが、2018年2月に実施した5周年記念イベント“ソードアート・オンライン ゲーム攻略会議 2018”でした。イベントの手応えはいかがでしたか?
- 二見 もっと大きくしたいなと思いました。土曜日開催だったのと、場所……僕らは田町で働いているので、会場が近いと感じていましたが、お客さんのことを考えて、次はもっと都心寄りかつ大きい会場でやりたいですね。次はもうちょっと長い時間、遊んでもらえるものをたくさん用意したいです。
- もう構想レベルではなくて、実際に動き出しをしていたりするのでしょうか?
- 二見 いえ、まだ構想レベルですが、10周年とか長いスパンではなく、もっと近いうちにやりたいです。
- “5周年記念イベント”では「次はキャスト陣を全員ゲストとして呼びたい」みたいなことをおっしゃっていましたが……?
- 二見 そうですね、全員呼びたいですね(笑)。来てくれ~!!(笑)。ぶっちゃけゲームだけではなくて、アニメ、小説などのコンテンツともうまく絡めて、SAO好きのいろんな人が楽しめるようなお祭りみたいなものを、本当に毎年なのか2年に1回なのか、開催できればいいなと思っています。ゲームに限らず『SAO』オールコンテンツとしてやっていければと思っています。
(vol.4に続く)
バンダイナムコエンターテインメントCE事業部、『SAO』ゲームシリーズ総合プロデューサー。
シリーズ第1作『SAO -インフィニティ・モーメント-』からプロデューサーを担当し、現在では『SAO』ゲームシリーズ全体を総括する。