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二見プロデューサー×河合プロデューサー
「βeater’s cafe」リニューアル記念インタビュー

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左から:河合プロデューサー 二見プロデューサー

◆ゲームシリーズ5周年について

――『ソードアート・オンライン(以下、SAO)』のゲームシリーズが今年で5周年です。このたびはおめでとうございます。

二見・河合:ありがとうございます。

――振り返ってみていかがですか?

河合:僕が最初に関わったのは2014年のコンシューマー第2弾『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』ですね。思い出深いのは、いよいよマスターアップするぞという、その1週間前に二見がインフルエンザにかかってしまい……。

二見:あったね!

河合:現場に入ったばかりで何もわからないのに、二見の代わりに各所からの問い合わせや確認に対応することになってパニックでした(笑)。

――緊急事態ですね。

河合:本当に。「解説書はどうなっていますか」とか問い合わせが来て大変でした(笑)。

二見:当時は今と比べて仕様が多かったので、僕が病欠していた時はとくに大変だったと思います。

――企画に携わっているスタッフはどれくらいいらっしゃったのですか?

河合:最初は二見ひとりでしたよね。

二見:僕ひとりでした。プロジェクトの2年目からは河合が入ってくれて、そこからコンシューマーの開発やアプリの立ち上げを一緒にやっていった感じです。振り返ってみると楽しい思い出ばかりですよ。でもインタビュー記事にするなら苦労話のほうがいいですよね?(笑)。

河合:楽しくてもいいじゃないですか、いっぱいあるでしょ(笑)。

二見:……。

河合:ないんかい!

二見:あ、あるよ! 川原礫先生のご自宅でゲームの『フォール●ウト』をしました!

河合:そこは『SAO』じゃないんですね(笑)。すぐ違うゲーム出てくるー。

二見:原作の先生のお宅に遊びに行くという機会がありませんからね、嬉しかったんですよ(笑)。ただ原作を扱う難しさも知りましたね。

――難しさとは?

二見:原作小説の担当編集だった三木一馬さんの熱量がすごく高くて、サチという重要なキャラクターをゲームに登場させる時には、シナリオの段階で「これだ!」という落としどころが見つからず難航しました。三木さんに監修をお願いしても「この扱い方では登場させづらいかな……」と悩ませてしまい、結局、三木さんのご指名を受け、僕がその部分のシナリオを書くことになったんです。メールで「二見さんお願いしますね」と振られた時は、「……えっ」って、一瞬呆然としましたよ。

――まさかの展開ですね。

二見:とにかく一生懸命やりましたよ。修正をすることはあってもゼロから書いたことなんてないですからね。ですから三木さんにメールで「これまでの中で一番面白いですよ」と言われた時は、まるで「最後まで責任をまっとうしなさい」という熱いメッセージを突き付けられたみたいに感じられ、嬉しいけど複雑な心境でした。

――その時に書いたものは、作品に組み込まれているわけですよね?

二見:入ってます。その当時はサチというキャラクターがたどった運命に対して、「もしもこうなっていたら、いったいどうなっていただろう」という可能性を色々と考えましたね。キリトにしてみれば、サチの運命を決定づけてしまった責任を感じて思い悩むでしょうし、きっと自責の念で身動きができなくなってしまうに違いない。そのあたりの心情を汲みながら無理なくシナリオに落とし込むことにすごく時間がかかりました。本当に、精神的に追い詰められましたね。いまとなっては楽しい思い出ではありますけど、ただ楽しいだけではない感慨深いものがあります。

――作品をつくるうえでの「こだわり」が伝わってくるエピソードですね。その「こだわり」について、この5年で変化しましたか?

河合:僕はコンシューマーよりもアプリを担当することが多いのですが、スマートフォンは誰でも持っているデバイスとして間口が広いこともあり、最初はアプリゲームを通じてより『SAO』のことを好きになってもらうために、そしてコンシューマーゲームと一緒に遊んでもらえるように、比較的ライトなゲームとして開発していたんです。でも5年も経つとデバイス自体の性能が上がりますし、お客さんもゲーム性を求めるようになりますから、今はファン層の拡大とゲーム性の両方を考えながら企画を立てるようにしています。

二見:たしかにそれはありますね。僕はコンシューマーの担当ですが、以前は「自分がキリトだったらどういう物語をやりたいのか」を考えながら、オリジナリティの部分をかなり強めに意識して、ゲームを制作してました。ところがこの5年でお客さんの目が肥えて大作ゲームと比較されるようになり、かなり期待値もハードルも上がっています。ですから、ただ、面白いSAOのゲームを創ればいい!というものではなくなっているんですね。もちろんハードも進化していますから、その進化に見合うクオリティも確保しなければなりません。僕らは身を引き締めて、お客さんの期待とハードの進化を両方意識しつつ、『SAO』をより良い作品にしていく……そんな意識がこの5年でだいぶ定着しました。

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◆サイトのリニューアルについて

――ゲーム版『SAO』のポータルサイトとして運営されてきた『βeater’s cafe』が、ファンクラブとしてリニューアルされました。そのきっかけを教えてください。

二見:『βeater’s cafe』はゲーム版『SAO』の情報発信場所であり、お客さんと僕らの接点でもありました。しかし手がけるタイトルが増えると、やりたくても追いつかない状況が増えてきたんです。それにかねてから、「もっとお客さんに寄り添いたい」という気持ちで色々なアイデアを考えていたこともあり、今回のリニューアルの流れになりました。ファンクラブという名称につきましては、「ユーザーさんに近いサイト」という意味を込めています。ここが皆さんの交流の場になってもらえたら嬉しいですね。

――河合さんはいかがですか。

河合:二見が言った通りですが、それに加えて、コンシューマーのユーザーさんとアプリのユーザーさんが、このファンクラブを通じて新しいゲームと出逢ってくれたらと思いますね。もちろんすでに両方遊んでくれているユーザーさんもいらっしゃるかと思いますが、それぞれ一方しか遊んだことがないユーザーさんが、たとえばコンシューマー派はアプリに、アプリ派はコンシューマーに興味を持って欲しいです。

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◆今後の『βeater’s cafe』について

――ファンクラブとして生まれ変わった『βeater’s cafe』で、何か挑戦してみたいことはありますか?

二見:情報公開の最初の場にしたいですね。これまでは「YouTube」のような外部のサイトで生放送をしたり、雑誌で初報を出したりしていたのですが、それは不特定多数に向けてのものですよね。せっかくファンとの交流の場として作ったのですから、ここにいる皆さんにまずは情報をお届けする、そんな場所に成長させていきたいと思います。

――小耳に挟んだところによると、以前ファンクラブの会議で二見さんはサバゲーをやってみたいと……。

二見:はい! 打ち合わせで言いましたね(笑)。

――そういう変わったことをファンクラブでも考えられているのかと思いました。

二見:そうですね……お客さんと触れ合う場にしたいとは思っています。ファンクラブに限らず、お客さんと膝を突き合わせながら生の意見を聞きたいんですよ。ちょっとした感想でもいいし、「こうしてほしい」「ああしてほしい」という要望でもいいんです。実際に話してみないとわからないこともありますからね。サバゲーは正直、そんなに好きなわけではないんですよ(笑)。でも作業をしていると、どうしても建物の中にこもることが多くなりますから、とにかく外に出たいなと思いまして(笑)。

河合:それなら、やっぱりサバゲーですよね(笑)。逃げる二見Pを100人のユーザーさんが追いかけるわけですよ。

二見:ユーザーさんのストレス解消のためにね(笑)。ゲームの不満を僕らが一身に受けるわけです。ただ、そういった触れ合いの中で話をしてみたいんですよ。

河合:たしかに。

――河合さんはファンクラブでしてみたいことはありますか?

河合:やっぱりユーザーさんとの触れ合いですね。あとはユーザーさんが積極的に参加できる場にしたいです。たとえばゲームのスクリーンショットを公開したり、プレイ動画を投稿したり。こちらから一方的に情報を公開するだけではなく、ユーザーさんが遊び方を発信し、それを肴に盛り上がる場になればいいな。僕自身、ユーザーさんが発信する「こういう攻略の仕方がありますよ」という情報や「こういう遊び方がありますよ」という投稿を見て気付かされることがありますから、そういったものがファンクラブの中で回っていくような形になるとすごく楽しいだろうなと思います。

――ところでゲームではオリジナルキャラが登場していますが、ファンクラブ用の新『SAO』キャラクターが誕生する可能性というのは……?

二見:ありえます。

――本当ですか!

二見:全然ありますよ。

――それは単にイラストレーターさんに発注するのではなく、お客様の交流の中で生まれるということでしょうか?

二見:実際にアプリゲームの方ではユーザー参加型の企画をやっておりまして、例えばユーザーさんが考えたスキルやネタをゲーム版『SAO』の世界に登場させたりしています。それはアプリゲーム1作目の『ソードアート・オンライン コード・レジスタ』からやらせていただいていますね。ですからファンクラブの方でも、ユーザーさんが考えたものを何かの企画に出す、ということが可能性としては充分にありますよ。

河合:ファンクラブ用のナビキャラみたいなやつが欲しいですよね、せっかくだから。

二見:キャラ名は「おいかわ」で。

河合:プロモ担当の?うちの及川さんはオッサンだけど、大丈夫ですか?(笑)。

二見:美少女バーチャルユーチューバーみたいにすれば大丈夫でしょう。

河合:名前だけ借りる意味がわかりません(笑)。

二見:『SAO』のコンテンツを汚すほどのものでなければ、楽しければなんでもいいのかなと思いますね。

――『SAO』に限らず、スタッフとの交流を望むお客様もいますし、ファンクラブがそういった場になれば楽しいですよね。
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◆2月17日(土)に開催される『ソードアート・オンライン ゲーム攻略会議2018』について

――続いて、2月17日(土)に開催される初のファンミーティング『ソードアート・オンライン ゲーム攻略会議2018』のことをお伺いしたいと思います。この記事を公開するのが、ちょうどイベント間際ということで、すでにたくさん情報が発信されていると思いますが、改めてお二人にとっての見どころや注目してほしいポイントなどをお願いします。

二見:『SAO』のゲームシリーズが5年間続いたという感謝の気持ちと、コンシューマー、アプリ関係なく日頃遊んでいただいているプレイヤーの皆さんが楽しめるよう、このような場を用意させていただきました。声優さんを交えたトークショーも1日中行われますし、『SAO』の各ゲームタイトルが楽しめる催しもいっぱいあります。それに『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』においては最新アップデートの先行体験会も予定しています。無料で参加できるイベントなので、遠征の必要がある皆様には申し訳ありませんが、僕らからの5周年の恩返しとして開催させていただきます。ぜひ余すことなく楽しんでください。

――河合さんはいかがですか。

河合:『SAO』のコンシューマーゲームとアプリゲームが一堂に会することはそうそうあるものじゃないと思います。ぜひ会場にお越しになり、それぞれの担当プロデューサーの温度感、個性の違い、コンテンツの見せ方などなど……同じ『SAO』という原作をどう料理したのか、じっくりと噛みしめて欲しいですね。

二見:あと、注目ポイントは「お土産」です。

――お土産ですか?

二見:超豪華ですよ。ホッカイロと……。

河合:出オチじゃないですか(笑)。

二見:正しくは「ソードアート・保温(ほおん)ライン」というホッカイロと、このファンミーティングのためにabec先生に描いていただいたイラストをミニ色紙化したもの、5周年記念のトートバッグ、クリアファイルですね。これらすべてがワンセットになっています。

――本当に豪華ですね。詳細は、当サイトのトップページの「SAOゲーム攻略会議2018」のバナーをクリックしてみてください。
――今回は東京開催ですが、大成功したら、もしかしたら次はさまざまな都市でも……?

二見:我々もすごく行きたいです。47都道府県すべてとはさすがに言いませんが、東名阪というか、主要都市で大きなイベントをやりたいですよね。

河合:いいですねー。

――VRは2017年の12月8~10日に、東京ソラマチで体験会をされていましたね。

河合:ドコモさんとやっていた『ソードアート・オンライン レプリケーション』ですね。事前応募の当選者しか体験できず、抽選に漏れた方から「またやってください」というお声をいただきました。ファンミーティングでも展示させていただきますが、こちらも抽選でして、この記事が公開された頃はもう応募が締め切られているかと……。

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◆告知情報

――コンシューマーでは『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』が2月8日発売、アプリでは『ソードアート・オンライン インテグラル・ファクター』がリリースされたばかりです。そのほか色々な動きがある中で、「ぜひ伝えたい!」ということがあればお願いします。

二見:『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』はサードパーソンのシューティング・ゲームとなっています。シューティングというと難しそうですが、個人的には『スプ●トゥーン』のようなゲームのイメージを持っています。シューティングが苦手という方でも楽しめるようハードルを極力排除し、かっこよくアクションできるところが注目ポイントです。気軽に手に取ってみてください。

――ありがとうございます。

河合:1年半ほど運営している『ソードアート・オンライン メモリーデフラグ』というアプリゲームがありますが、こちらが2月にアップデートされ、プレイヤー対戦ができるようになります。ファンミーティングで開催するのは、そのプレイヤー参加型イベント「シングルプレイヤーNo1決定戦」ですね。このインタビューの段階ではまだ開発チームと最後の調整をしているところなので僕もまだ完成版には触れていませんが、プレイヤーが1対1で殴り合うわけではなく、フィールド中央にボスがいて、そのボスに与えたダメージで勝敗を決するシステムになる予定です。テスト段階でのプレイの様子を見てみると、みんなどうしてもボスを追いかけまわしてひたすら殴る感じになりがちですが、実はもっといい方法があるんですよ。ボスの動きをよく見て、隙ができたら相手の射程範囲に飛び込んで効率的にダメージを与えていくというか。冷静にフィールド全体を見て戦うやり方が効果的に勝つコツになります。そのあたりは僕の5億倍くらい上手な人たちが大会に出てくれると思うので、逆に勉強させていただこうと思っています。非常に楽しみですね。

――サイトのリニューアルに合わせるように『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』がリリースされたり、『ソードアート・オンライン メモリーデフラグ』がアップデートされたりして、そこではじめて『SAO』のゲームに巡り合ってサイトを覗きに来る方も多いかと思います。そういった方に向けて、原作小説ともアニメとも違う、ゲームならではの楽しさ・良さを教えていただけますでしょうか?

二見:『SAO』は様々なタイトルがリリースされ、それぞれに個性と魅力があります。例えば『ソードアート・オンライン メモリーデフラグ』は原作を追体験する剣と魔法のベーシックな世界観、『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』は銃をベースにした世界観。『ソードアート・オンライン インテグラル・ファクター』は「if」の世界観で、アニメに近いストーリーをこなしながらプレイヤー自身が登場キャラとなって序盤の世界を冒険することができます。『SAO』といえば、やはりVR-MMOをベースとした世界観の中で生活をする、少年少女たちの出逢いや物語を楽しむ作品ですよね。各ゲームタイトルで体験する要素がまったく異なるという点では、原作やアニメで『SAO』に入って来た人にとっては、目の前に色々な入り口が用意されている状態だと思います。それなのでひとつでも結構ですから、そこからゲームの世界に気楽にアクセスしてもらえたらと思います。

河合:そうですね。『SAO』はコンシューマーでもアプリでも多くのタイトルがあり、その一本一本で違った遊び方を提案しています。このファンクラブに訪れることで「違った遊び方」を見ていただき、「こういうシナリオがあるんだ」「こんなシステムでこういう遊びができるんだ」「それならこのゲームをやってみようかな」と、まずは一歩を踏み出してもらえたら楽しいと思いますので、これをきっかけに『SAO』をもっと好きになって欲しいですね。

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◆最後に……。

――それでは最後に、『SAO』ゲームシリーズのファンの皆さまへメッセージをお願いします。

二見:『SAO』ゲームシリーズの5周年ではイベントもやらせていただきますけど、この5周年で終わらないように、10周年……15周年……と続いていってくれたらなと。もちろんゲーム・コンテンツだけではなく、原作小説も、アニメ版も楽しんで欲しいです。『SAO』が好きな人に悪い人はいないと信じたいと思っているので、これからも末永く『SAO』の全展開を応援して頂けると本当にうれしく思っております。

河合:まずは5年間、『SAO』のゲームを遊んでくださって、ありがとうございます。ゲーム展開はあくまでも原作小説とアニメ版があってこそのものなので、ゲームを通して、原作小説やアニメをより好きになってもらえるようがんばってきました。次の10年、20年、これからも引き続きその精神を持って続けられたらと思いますので、これからもよろしくお願いします。

【二見 鷹介】

バンダイナムコエンターテインメントCS事業部、『SAO』ゲームシリーズ総合プロデューサー。
シリーズ第1作『SAO -インフィニティ・モーメント-』からプロデューサーを担当し、現在では『SAO』ゲームシリーズ全体を総括する。

【河合 泰一】

バンダイナムコエンターテインメントNE事業部、プロデューサー。
代表作に「SAOコード・レジスタ」、「SAOメモリー・デフラグ」など。「ソードアート・オンライン」シリーズのアプリゲームを手掛ける。