
バースデー小説
ようやく、ようやくアリスに会える!!!
朝目が覚めて、まずあたしの頭に浮かんだのはその言葉だった。昨日は楽しみすぎてあまり眠れず、睡眠時間が足りない気もするけど、そんな事は言っていられない。だって今日は、ついにアリスに会えるんだから!
アリスと会うのは、キリトたちが《仮想世界》と呼んでいる世界だ。そこでは、あたしのようなアンダーワールド人と、リアルワールドにいる人間が直接会うことができるらしい。仕組みはよくわからないけど、アリスに会えるのであればなんでもいい。
キリトから事前に説明されていたけど、《仮想世界》はやっぱりアンダーワールドとはかなり違うみたいだ。少し早く着きすぎちゃったかな……と思った時、遠くからこちらへ走ってくる足音が聞こえた。この足音は……間違いない!!!
「イーディス殿、ご無沙汰しております」
この声、聞くのはいつ以来だろう。懐かしさに、じわっと涙が出てくる。それをぐっとこらえながら振り向くと、そこにアリスがいた。前に見た時からちっとも変わらない、可愛いアリス……私の、アリスだ。
「うん……本当に久しぶりだね、アリス!」
「うわっ……い、イーディス殿、抱きつかないでください!」
「えー、いいじゃない。だって、こんなに久しぶりなんだし」
「ですが、このような衆目のある場で――」
「なら、人の目のないところならいいの?」
「そういうことではありません……」
アリスがやれやれ、とため息をつく。そういうところも、以前とちっとも変わっていない。
「ふふ、ごめんごめん。久しぶりだったんで、嬉しくてつい……ね。それじゃ、行きましょうか。アリスとあたしのデート」
「デート……ですか。それは確か、好き合っている男女が出かけることでは?」
「キリトに聞いたら、好きな人同士で出かけることがデートだって言ってたよ。だから、デートだよ」
「そうなのでしょうか……」
「そうそう。んじゃ、早速しゅっぱーつ! まずは……どこにいこうか」
アリスに会ったら、アレもコレもやりたいって思っていたけど、実際に会うと何からやろうか迷っちゃう。というより、アリスと一緒なら、あたしは何をしても楽しかった。アリスに可愛い衣装を着てもらったり、装飾品を選んだり。アリスが特に喜んだのは、お菓子の食べ歩きだ。リアルワールドでは食事を楽しめないらしく、この《仮想世界》で食べるのを楽しみにしていたらしい。
でも、楽しい時間はあっという間に――本当に一瞬かと思うくらいに――過ぎてしまい、気がつけば夕方になっていた。ソルスが完全に沈んでしまったら、今日のデートはおしまい。次にアリスに会えるのは……いつになるだろうか。
「あーあ、もうこんな時間。速すぎるよー」
「はい……楽しい時間は過ぎるのが速いといいますが、本当ですね」
「アリスも楽しかった?」
「もちろんです。久しぶりに、イーディス殿とご一緒できましたから」
「そっかー、よかった!」
残りの時間、もっともっとアリスといっしょにいたい。それなら、行くのは……。
「ねえアリス、残りの時間……お風呂に行こうよ」
「えっ、お風呂ですか? このような街なかで……?」
「実はね、キリトに教えてもらったんだ。ここには、日帰りで入れる温泉があるって。空が見えるお風呂もあって、すごく気持ちいいんだって」
「ですが、お風呂は……」
「いいじゃんいいじゃん、久しぶりなんだし」
「理由になっていません!」
アリスは少し怒ったような目でこちらを睨む。でも、本気で怒ってるわけじゃないんだよね。
「でもさ、歩き回って汗かいちゃったでしょ。お風呂でサッパリしてから帰るほうが、気持ちいいと思うんだよね」
「それは、確かにそうかもしれませんが……」
「よし、決まり! 温泉はあっちよ、アリス!」
そう言ってアリスの手を握ると、アリスは困った顔で笑って、結局は「はい、行きましょう」と頷いてくれた。
温泉のある施設に入ると、そこはカセドラルにある大浴場フロアとあまり変わらない。お風呂に入るという行為は、世界が違っても共通なのだろうか。まだ時間が早いせいか、あたしたちの他には誰もいなかった。アリスと二人で貸し切りだ。
「うわー、本当に空が見える! 気持ちいいね、アリス」
「ええ、素晴らしい眺めです」
カセドラルの大浴場も気持ちいいけど、空が見えるとなんだか開放感がある。
「まずは、汗を流しましょう」
「そうだね。あっ、あたしが洗ってあげるよ」
「えっ!? いえ、自分で洗えますから……」
「いいじゃん、あたしがキレイにしてあげるから!」
「あっ、イーディス殿、ちょっと待って……」
「いいじゃん、いいじゃん!」

こうして、あたしたちの楽しい一日は幕を閉じた。次にアリスに会えるのは、いつになるのか。でも、きっとまた会える。その日まで、アリスが幸せでありますように。
朝目が覚めて、まずあたしの頭に浮かんだのはその言葉だった。昨日は楽しみすぎてあまり眠れず、睡眠時間が足りない気もするけど、そんな事は言っていられない。だって今日は、ついにアリスに会えるんだから!
アリスと会うのは、キリトたちが《仮想世界》と呼んでいる世界だ。そこでは、あたしのようなアンダーワールド人と、リアルワールドにいる人間が直接会うことができるらしい。仕組みはよくわからないけど、アリスに会えるのであればなんでもいい。
キリトから事前に説明されていたけど、《仮想世界》はやっぱりアンダーワールドとはかなり違うみたいだ。少し早く着きすぎちゃったかな……と思った時、遠くからこちらへ走ってくる足音が聞こえた。この足音は……間違いない!!!
「イーディス殿、ご無沙汰しております」
この声、聞くのはいつ以来だろう。懐かしさに、じわっと涙が出てくる。それをぐっとこらえながら振り向くと、そこにアリスがいた。前に見た時からちっとも変わらない、可愛いアリス……私の、アリスだ。
「うん……本当に久しぶりだね、アリス!」
「うわっ……い、イーディス殿、抱きつかないでください!」
「えー、いいじゃない。だって、こんなに久しぶりなんだし」
「ですが、このような衆目のある場で――」
「なら、人の目のないところならいいの?」
「そういうことではありません……」
アリスがやれやれ、とため息をつく。そういうところも、以前とちっとも変わっていない。
「ふふ、ごめんごめん。久しぶりだったんで、嬉しくてつい……ね。それじゃ、行きましょうか。アリスとあたしのデート」
「デート……ですか。それは確か、好き合っている男女が出かけることでは?」
「キリトに聞いたら、好きな人同士で出かけることがデートだって言ってたよ。だから、デートだよ」
「そうなのでしょうか……」
「そうそう。んじゃ、早速しゅっぱーつ! まずは……どこにいこうか」
アリスに会ったら、アレもコレもやりたいって思っていたけど、実際に会うと何からやろうか迷っちゃう。というより、アリスと一緒なら、あたしは何をしても楽しかった。アリスに可愛い衣装を着てもらったり、装飾品を選んだり。アリスが特に喜んだのは、お菓子の食べ歩きだ。リアルワールドでは食事を楽しめないらしく、この《仮想世界》で食べるのを楽しみにしていたらしい。
でも、楽しい時間はあっという間に――本当に一瞬かと思うくらいに――過ぎてしまい、気がつけば夕方になっていた。ソルスが完全に沈んでしまったら、今日のデートはおしまい。次にアリスに会えるのは……いつになるだろうか。
「あーあ、もうこんな時間。速すぎるよー」
「はい……楽しい時間は過ぎるのが速いといいますが、本当ですね」
「アリスも楽しかった?」
「もちろんです。久しぶりに、イーディス殿とご一緒できましたから」
「そっかー、よかった!」
残りの時間、もっともっとアリスといっしょにいたい。それなら、行くのは……。
「ねえアリス、残りの時間……お風呂に行こうよ」
「えっ、お風呂ですか? このような街なかで……?」
「実はね、キリトに教えてもらったんだ。ここには、日帰りで入れる温泉があるって。空が見えるお風呂もあって、すごく気持ちいいんだって」
「ですが、お風呂は……」
「いいじゃんいいじゃん、久しぶりなんだし」
「理由になっていません!」
アリスは少し怒ったような目でこちらを睨む。でも、本気で怒ってるわけじゃないんだよね。
「でもさ、歩き回って汗かいちゃったでしょ。お風呂でサッパリしてから帰るほうが、気持ちいいと思うんだよね」
「それは、確かにそうかもしれませんが……」
「よし、決まり! 温泉はあっちよ、アリス!」
そう言ってアリスの手を握ると、アリスは困った顔で笑って、結局は「はい、行きましょう」と頷いてくれた。
温泉のある施設に入ると、そこはカセドラルにある大浴場フロアとあまり変わらない。お風呂に入るという行為は、世界が違っても共通なのだろうか。まだ時間が早いせいか、あたしたちの他には誰もいなかった。アリスと二人で貸し切りだ。
「うわー、本当に空が見える! 気持ちいいね、アリス」
「ええ、素晴らしい眺めです」
カセドラルの大浴場も気持ちいいけど、空が見えるとなんだか開放感がある。
「まずは、汗を流しましょう」
「そうだね。あっ、あたしが洗ってあげるよ」
「えっ!? いえ、自分で洗えますから……」
「いいじゃん、あたしがキレイにしてあげるから!」
「あっ、イーディス殿、ちょっと待って……」
「いいじゃん、いいじゃん!」

こうして、あたしたちの楽しい一日は幕を閉じた。次にアリスに会えるのは、いつになるのか。でも、きっとまた会える。その日まで、アリスが幸せでありますように。
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