
バースデー小説
「うーん、眠れないなあ……」
頭まですっぽり被った布団の中で、レインはつぶやいた。
時計を見ると、時間は深夜2時過ぎ。ベッドに入ってから、もう1時間以上も経っている。昼間の仕事で疲れているはずなのに、なぜか頭だけが冴えて眠れない。
「しょうがない、一回起きて、リセットしよう」
観念して、レインは体を起こした。
枕元の携帯を見ると、メッセージ着信の通知があった。差出人はセブン。
――お仕事お疲れさま。今日の番組でも、かなりアピールできたよね!
――この調子で、明日も頑張ろう!
「アピール、かあ……確かに、目立つことはできたと思うけど」
レインとセブンは、現在ペアのアイドルユニットとして活動している。二人の歌唱力に加え、姉妹ユニットという売り文句で、少しずつファンも増えている。
だが、セブンに言わせれば、これじゃ足りないらしい。
「これからのアイドルは、歌うばっかりじゃダメ!」
……らしく、バラエティ番組やクイズ番組への出演が増えた。幸か不幸か、バラエティでのウケはよく、共演者からの評判も上々だ。最近では笑いを取れると無意識にちょっと楽しくなり、つい更なるウケを狙いに行ってしまうこともある。
「ううん、こんなことじゃダメ! 私はアイドルなんだから!」

自分の本分はバラエティタレントではなく、あくまでアイドル。レインにとって、そこは譲れない部分だ。
それに、バラエティで苦手なこともある――ドッキリ企画だ。この間も、番組でレポートをしているときに、セブンが台本の内容を忘れてしまい、どうにか成立するように必死にレインがフォローしたことがあったが、それが実はドッキリ企画で……ということがあった。セブンも仕掛け人で、レインの反応を楽しんでいたらしい。
まったく、あの時どれだけ自分が焦ったか考えてほしい、とレインはため息を吐く。
仕返し、とばかりに今度はレインが仕掛け人になり、セブンに意地悪しようと「声の調子が悪い」というドッキリを仕掛けたこともあった。軽い気持ちで仕掛けたし、自分でも不自然だとわかるほどバレバレの演技だったと思うのだが、セブンはそれを信じてしまい、「レインがもう歌えなくなる」と心配して、最後には泣き出してしまったのだ。
罪悪感のあまり、最後まで続けられずにネタバラシをしたが、あの時のことを考えると胸が痛い。やはりウソをつくのは苦手だ。
でも、バラエティ番組に出るようになって、いいこともある。キリトや、一緒に冒険をした仲間たちが「見たよ」「面白かった」と言ってくれることだ。そうやって連絡をもらえるのは素直に嬉しいし、やりがいもある。もちろん、歌を聞いてもらうのが一番嬉しいのは変わりないけど。
キリトたちにも、しばらく会っていない。メッセージのやり取りをしているから、なんとなく近くにいるような気がするけど、直接会って話したのはいつだろうか。仕事は忙しいけど、合間を縫ってキリトたちとも会いたい……。
「そうだ! いいこと思いついた!」
キリトたちと相談して、ドッキリを企画しよう。セブンと二人でいるところに、こっそりキリトが現れるというサプライズを仕掛けるのだ。きっとセブンはびっくりして飛び上がるに違いない。これなら、ドッキリを仕掛けたあとも楽しく笑い会えるし、セブンも喜んでくれるだろう。
「明日、朝一でキリトに連絡しなきゃ」
そうつぶやきながら、改めてベッドに横になる。キリトは賛成してくれるかな……きっと大丈夫。キリトのことだから、喜んで協力してくれるに違いない。そう考えると、思わず顔がニコニコしてしまう。
「……ふふ、良い夢が見られそう」
夢の中でキリトたちに会えたら、明日の仕事もより一層頑張れるだろう。そうなるように、と祈りながら、レインは眠りに落ちていった。
頭まですっぽり被った布団の中で、レインはつぶやいた。
時計を見ると、時間は深夜2時過ぎ。ベッドに入ってから、もう1時間以上も経っている。昼間の仕事で疲れているはずなのに、なぜか頭だけが冴えて眠れない。
「しょうがない、一回起きて、リセットしよう」
観念して、レインは体を起こした。
枕元の携帯を見ると、メッセージ着信の通知があった。差出人はセブン。
――お仕事お疲れさま。今日の番組でも、かなりアピールできたよね!
――この調子で、明日も頑張ろう!
「アピール、かあ……確かに、目立つことはできたと思うけど」
レインとセブンは、現在ペアのアイドルユニットとして活動している。二人の歌唱力に加え、姉妹ユニットという売り文句で、少しずつファンも増えている。
だが、セブンに言わせれば、これじゃ足りないらしい。
「これからのアイドルは、歌うばっかりじゃダメ!」
……らしく、バラエティ番組やクイズ番組への出演が増えた。幸か不幸か、バラエティでのウケはよく、共演者からの評判も上々だ。最近では笑いを取れると無意識にちょっと楽しくなり、つい更なるウケを狙いに行ってしまうこともある。
「ううん、こんなことじゃダメ! 私はアイドルなんだから!」

自分の本分はバラエティタレントではなく、あくまでアイドル。レインにとって、そこは譲れない部分だ。
それに、バラエティで苦手なこともある――ドッキリ企画だ。この間も、番組でレポートをしているときに、セブンが台本の内容を忘れてしまい、どうにか成立するように必死にレインがフォローしたことがあったが、それが実はドッキリ企画で……ということがあった。セブンも仕掛け人で、レインの反応を楽しんでいたらしい。
まったく、あの時どれだけ自分が焦ったか考えてほしい、とレインはため息を吐く。
仕返し、とばかりに今度はレインが仕掛け人になり、セブンに意地悪しようと「声の調子が悪い」というドッキリを仕掛けたこともあった。軽い気持ちで仕掛けたし、自分でも不自然だとわかるほどバレバレの演技だったと思うのだが、セブンはそれを信じてしまい、「レインがもう歌えなくなる」と心配して、最後には泣き出してしまったのだ。
罪悪感のあまり、最後まで続けられずにネタバラシをしたが、あの時のことを考えると胸が痛い。やはりウソをつくのは苦手だ。
でも、バラエティ番組に出るようになって、いいこともある。キリトや、一緒に冒険をした仲間たちが「見たよ」「面白かった」と言ってくれることだ。そうやって連絡をもらえるのは素直に嬉しいし、やりがいもある。もちろん、歌を聞いてもらうのが一番嬉しいのは変わりないけど。
キリトたちにも、しばらく会っていない。メッセージのやり取りをしているから、なんとなく近くにいるような気がするけど、直接会って話したのはいつだろうか。仕事は忙しいけど、合間を縫ってキリトたちとも会いたい……。
「そうだ! いいこと思いついた!」
キリトたちと相談して、ドッキリを企画しよう。セブンと二人でいるところに、こっそりキリトが現れるというサプライズを仕掛けるのだ。きっとセブンはびっくりして飛び上がるに違いない。これなら、ドッキリを仕掛けたあとも楽しく笑い会えるし、セブンも喜んでくれるだろう。
「明日、朝一でキリトに連絡しなきゃ」
そうつぶやきながら、改めてベッドに横になる。キリトは賛成してくれるかな……きっと大丈夫。キリトのことだから、喜んで協力してくれるに違いない。そう考えると、思わず顔がニコニコしてしまう。
「……ふふ、良い夢が見られそう」
夢の中でキリトたちに会えたら、明日の仕事もより一層頑張れるだろう。そうなるように、と祈りながら、レインは眠りに落ちていった。
壁紙プレゼント
レインの誕生日を記念して、
描きおろしイラストの壁紙をプレゼント!
- ※予告なく配信を終了する場合がございます。
予めご了承ください。 - ※Wi-Fi環境でのダウンロードをお勧めいたします。



