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電撃オンライン編集部がSAOゲームプロデューサー5名に直撃インタビュー!
第二回:竹内プロデューサー×河合プロデューサー(Vol.2)

『コード・レジスタ』から最新作『インテグラル・ファクター』まで
今だから話せる秘密を暴露!
竹内プロデューサー×河合プロデューサーインタビュー(第2回)

多彩なコラボイベントが行われた『コード・レジスタ』

河合泰一プロデューサー、竹内智彦プロデューサー
▲前回に引き続き、河合泰一プロデューサー(左)、竹内智彦プロデューサー(右)にいろいろと語っていただきました。
プロデューサーから見た『コード・レジスタ』の特徴として、もっとも主張したいところを教えてください。
河合『コード・レジスタ』は『SAO』アプリのなかでも、一番遊びやすい作品だと思います。アクションでもMMOでもないオーソドックスなRPGなので、そういったジャンルが苦手な人でもバトルを遊びやすい。キャラクターを愛でるという部分では、一番いいゲームなのではないでしょうか。
キャラクターを愛でるという意味では、衣装が多いのもいいですね。ちなみにお二方は、キャラクターイラストのなかで一番お気に入りのイラストはありますか?
竹内『コード・レジスタ』は自分が入社する少し前にリリースされて、担当になることが決まったときに初めてプレイしたんですよ。そのときに、いつもの赤い鎧ではなく白騎士の格好をしているヒースクリフを引けたので思い入れがありますね。あとは、地面に剣がいっぱい刺さっている戦神シリーズのキリトかな?
河合自分は、モンスターの衣装を着ているイラストが好きですね。スカルリーファのイラストがすごく好き。
竹内スカルリーファは、第1回目のレイドバトルの特典報酬でしたね。これも、エギルのようにノリで決めました(笑)。確か、イベントでスカルリーパーの着ぐるみを作ろうという話になったときに、誰かが聞き間違えて「スカルリーファ?」と発言したんですよ。それを聞いたのがきっかけです。
河合スカルリーパーと言えば、竹内が初めてイベントに登場したとき、スカルリーパーの着ぐるみに30分以上入ってましたね。あれは、閉所恐怖症だったら耐えられないと思います(笑)。
竹内汗だくだくで出てきました(笑)。
河合あと、印象に残っているといえば魔法少女衣装のGGOキリトもいたような……。>
竹内ありましたね! そうそう、じつは『コード・レジスタ』のGGOキリトのイラストって、ちゃんとモデルを男の骨格で作っているんですよ。女の子っぽい衣装を装備しているけど、骨格は男子なんです。そこは間違えないようにしています。
河合キリトは『ニューワールド』とコラボしてハセヲの衣装を着ていましたね。
竹内コラボは大変でしたね……(以下、本当に書けない苦労話なので割愛)。
河合『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』と『とある魔術と科学の謎解目録(パズデックス)』とのコラボもやりましたし、結構コラボしてますね。
コラボ
コラボに限らず、『コード・レジスタ』は絶えずイベントをしていた記憶がありますが、好評だったイベントがあれば教えてください。
竹内好評だったのはPvPです。日本のお客様はPvP自体をあまりやりたがらない傾向にあるのですが、『コード・レジスタ』のPvPイベントは、意外とさまざまなお客様が遊ばれているんですよ。不人気はだったものは、そんなにないですね。
最初から最後まで、大きなルール変更をすることもなく、ずっと同じ感じで続けてきましたが、(PvPは)参加比率から見ても本作を下支えしてくれるイベントに成長しました。そういう意味では、なくてはならないイベントにだったなと。
河合印象に残っているイベントですか……。自分はエイプリルフールイベントですね。
竹内やりましたね~。確か、一番最初はギャルゲーっぽい“そーどあーと・おんらいん 恋のコード・レジスタ”でしたね。
そーどあーと・おんらいん 恋のコード・レジスタ
河合レジスタ学園のイベントは、エギル同様に開発チームの熱意で生まれたイベントです。
竹内開発会社の熱い想いがにじんでいるんですよね。バナーの見せ方から衣装の設定まで全部作ってますから。
河合あとは、サービスインして最初のイベントですね。『コード・レジスタ』は11月末(※Android版が2014年11月28日サービス開始)にサービスインしたのですが、始まってすぐの12月に行ったイベントが“聖夜にみつけた宝物”という、ちょっと悲しいサチのイベントでした。背教者ニコラスと戦うイベントで、一番最初のイベントが切ないものでいいのかなというのが印象深かったです。
  • 聖夜にみつけた宝物
    ▲“聖夜にみつけた宝物”では、イベントをクリアすると星4サチがもらえました。
  • サチのイベント
    ▲こちらは2016年のクリスマスに開催されたサチのイベント。
他のアプリでもサチ絡みのイベントはやっているのですが、一番最初にやった元祖はこのイベントだと思います。

『インテグラル・ファクター』の舞台がオリジナルから変わった経緯は?

『インテグラル・ファクター』は、原作のアインクラッド編にスポットを当てた作品になっていますが、なぜ、ネイティブアプリの3作目というタイミングで《SAO》――《アインクラッド》に舞台を絞ったゲームにしようと思ったのでしょうか。
インテグラル・ファクター
竹内今に至るまで紆余曲折はありますが、もともと“『SAO』のMMORPGを作りたい”という構想は以前からありました。
河合最初の構想は『メモリー・デフラグ』よりも先です。当初は二見(二見鷹介プロデューサー)も絡んでいた時期がありましたね。
竹内ずっと前から構想はしていて、階層をどんどん追加していくので運営型のスマホアプリの方が最適だろうという判断だったのですが、現実的に作るのが難しいこともあってしばらく見送りになっていました。時が経って端末の性能が追いついてきたので、やってみようと。ただ、最初は“アインクラッド”ではなくて“オルトフォーヴ(仮称)”というオリジナルの世界が舞台でした。プロットやシナリオの方針も今とは全然違います。
河合最初の構想からは、かなり変わりましたよね。
竹内当初はGGO編後の時間軸で、《ザ・シード》から派生したVRMMORPGの世界を舞台にしていました。医療機器としてのVRシステムを目指して作られていたものに《アルカナシステム》というAIプログラムを組み込んだところ、SAO事件の被害者の臨床データを見つけてきた。アルカナシステムがそれを取り入れたところ、アインクラッドのように見えるけれど何かが違う世界《オルトフォーヴ》が誕生し、そこを舞台に物語が展開する……というプロットでしたね。
ちなみに、アルカナシステムの設定は今も生きていて、既にシナリオにも少しだけ要素が登場しています。これはユーザーの皆さんに予想していただければと(笑)。
当時の設定画
その流れで企画が進んでいたのですが、「やはり《アインクラッド》はMMORPGであり、かつ『SAO』の原点なので、オリジナルの舞台ではなく《アインクラッド》そのものの攻略を最初からやっていくのはどうか?」というアイデアを原作チームからいただき、それが発端になって動き始めました。
他の『SAO』関連ゲームタイトルを見てもアインクラッドを最初から攻略していく作品は逆に新しく、このような原点回帰が今までになかったのも理由として大きいです。
コンシューマの『インフィニティ・モーメント』は原作から分岐した第76層以降の物語ですし、純粋に第1層からアインクラッドを攻略していくのは新鮮でした。資料を読むと、コハル自体もオルトフォーヴのころから設定があったのですね。
竹内コハルはそのころからいます。このときは本田小春という名前で、ログインしてくる動機も今と全然違いました。現状のキャラクターにも一部の設定を引き継いでいるのですが、このときのコハルは親友のマテルがSAO事件に巻き込まれたのがきっかけでログインしていますね。
初期設定のコハルは、マテルと喧嘩して疎遠になり、謝ることができないままSAO事件で別れることになってしまったという設定です。そんな中、《SAO》風の世界であるオルトフォーヴを知るわけですが、オルトフォーヴにはSAO事件で亡くなった人が目撃されるという噂を耳にします。もしかしたらマテルにまた会えるかもしれない、という想いでオルトフォーヴにログインした。そこである事件に巻き込まれ、記憶をなくし、ログアウトもできなくなって……という設定でしたね。
初期コハルのビジュアル
河合オルトフォーヴは“SAO事件で死んだ人の亡霊が出る”とウワサされているゲーム、という設定がありました。SAO事件で離ればなれになってしまった人や、大切な者を亡くしてしまった人がこぞってログインしにきたなんて切ない設定もあったんです。
また、タイトル名も『インテグラル・ファクター』という名前に落ち着くまで二転三転しています。『ソードアート・オンライン クロニクル』というタイトルから始まり、『ソードアート・オンライン アリシングテスト』というタイトルを経由して、今のタイトルに落ち着きました。
竹内最初はアリシングテストの頭文字を取って『SAOAT』というコードネームで開発していました。インテグラル・ファクターの頭文字は「IF」、つまり、もしも自分が主人公だったら?というところから決めています。
かなり当初と設定が変わったのですね。特にコハルはビジュアルなどからもそうした設定の推移を伺えます。そもそも、彼女を出そうと思った経緯や現在のビジュアルになった理由を教えてください。
竹内経緯としては、プレイヤーに強力なパートナーが必要だったからです。自分のなかでは、主人公とコハルに“もう1組のキリトとアスナ”という裏テーマを設けているんですよ。キリトが『SAO』の本史でゲームクリアまで導けたのは、アスナという強さ的にも精神的にも強力なパートナーがいたからだと思っているので、プレイヤーの分身となる主人公にもアスナのような存在が必要だと考えました。そこで、コハルというキャラクターがそのポジションに当てはまるようになっています。
パートナーということですが、これまでのオリジナルキャラクターに比べると抑えた見た目ですね。
竹内開発当初は今と違って、かなり派手な見た目のキャラクターだったんですよ。
河合記憶をガッツリなくしている設定が残っていて、顔見知りである主人公のことも忘れているという設定でしたね。
竹内目に光がなく、タトゥーも入っていて、人間が操作しているキャラクターなのか、それともAIが操作しているNPCなのかも、主人公には判断がつかない。
河合当初は、今のコハルと違う意味でニュートラルなデザインでしたね。
竹内コハルはプレイヤーのパートナーとして物語を回していく役目ですが、大切な人や想い人を投影して遊んでもらいたかったんですよ。特徴がありすぎると投影できないので要素を削ぎました。
髪型や髪の色も、これまでのオリジナルキャラクターとの違いを意識しつつ、決定しました。ラフの段階で特徴的な短剣を持っていますが、コレはメインビジュアルに引き継がれています。
こうして見ると、初期コハルのデザインは『SAO』というよりも未来感があるビジュアルですね。
河合コハルがNPCだとミスリードさせるために、いかにもサバイバー風な初期衣装とシステムっぽい見た目をさせていたのだと思います。
(第3回に続く)
【河合 泰一】
バンダイナムコエンターテインメントNE事業部、プロデューサー。
代表作に「SAOコード・レジスタ」、「SAOメモリー・デフラグ」など。「ソードアート・オンライン」シリーズのアプリゲームを手掛ける。
【竹内 智彦】
バンダイナムコエンターテインメントNE事業部、プロデューサー。
「SAOインテグラル・ファクター」などを担当。
【 電撃屋 】
電撃の公式オンラインストア SAO商品が充実ラインナップ
公式HP:https://dengekiya.com/shop/b/bS1400123/
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