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電撃オンライン編集部がSAOゲームプロデューサー5名に直撃インタビュー!
第二回:竹内プロデューサー×河合プロデューサー(Vol.3)

最新作『インテグラル・ファクター』の制作秘話から今後の展開まで!
竹内プロデューサー「すでに100層までの設定は用意しています」

『インテグラル・ファクター』は、ユーザーとともに攻略していく《アインクラッド》

河合泰一プロデューサー、竹内智彦プロデューサー
▲左から河合泰一プロデューサー、竹内智彦プロデューサー。
『ソードアート・オンライン インテグラル・ファクター』の運営について、ユーザーの意見で参考にしているポイントはありますか。
竹内Twitterの意見は特に見ていますね。
主に、どんな点に注目して見ているのでしょうか?
竹内ユーザーがどこで困っているのかという点が1つ。それから、どのような遊び方をしてくれているのかという点が1つ。大きくわけるとその2つです。
たとえば、大型アップデートでギルド機能を実装しましたが、当初のアップデートではギルド以外の要素を予定していました。ですが、LINEグループでメンバーを作って疑似的なギルドを結成しているのを見かけて、ユーザーが自発的に集まっているところをサポートしたほうが喜ばれるのではないかと考え、ギルドを優先しています。このような感じで、ユーザーのみなさんを参考にしているところもあります。
ということは、昨年に電撃オンラインで実施した“エピソードが見たいキャラクターコンテスト”なども参考にされるのでしょうか?
竹内あのコンテストも、今後反映させていきたいと思っています。とはいえ、1位、2位、3位がユウキとシノンとキリトでもう登場してしまったので、そういったキャラクター以外で皆さんが誰のエピソードを望んでいるのかに注目する形ですね(笑)。
ユウキ
▲ファンから根強い人気を誇るユウキ。
とはいえ、シノンについてはもう少しあとで出す予定だったのですが、アンケートの結果から出すタイミングを見直したところもあります。5位のユナなど、他のキャラクターも出していきたいですね。
シノン
▲メインクエスト第9層で登場するシノン。他のキャラクターたちがどうなるのかも気になるところです。
『インテグラル・ファクター』は、本格的なMMORPGということで運営が大変だと思います。制作中に苦労したエピソードはありますか?
竹内『インテグラル・ファクター』に関しては綱渡りで作ってきたので、常に大変でした。たとえば、リリース当初につながりにくいという問題も発生しています。こちらは、原因になった部分を特定して手を打ちました。ただ、ゲーム側だけではなく端末側でも処理をしているので、想定以上に端末のスペックがゲームプレイへの影響を及ぼしてしまう部分もあります。
スマホはスペックで大きく変わるから難しいですね。MMORPGと言えばマクロも特徴ですが、オートでのレベル上げといったマクロを実装する予定は?
竹内マクロの実装は今のところは予定していません。とはいえ、そこに関しては違う形での提供を予定しています。プレイ時間を対価にするだけではなく、もう少し手軽に楽しめる要素を計画しています。これは1案ですが、ゲームを遊んでいない時間に別の条件で経験値がためられるなど、空いていない時間もゲームに当てられる仕組みや機能ができないか検討中です。
それは楽しみです。現在、1層ずつマップが追加されていますが、第5層では一部の設定に『ソードアート・オンライン プログレッシブ』を思わせるものがありました。現在展開している作品(アプリやコミック、ゲームシリーズなど)で、共通した設定があるのでしょうか?
竹内設定が明らかになっているものは、なるべく組み込むようにして先々の展開まで作っています。じつは、すでにどこで何が起こるかという100層までの設定は、ざっくりと用意しているんですよ。
えっ、そうなんですか!?
竹内もちろん、すべての階層で細かく設定されているわけではありませんし、設定が存在しないという制約上、実装が難しい階層も出てくると思います。ただ、要所ごとにどのキャラクターが出てくるのか、そこで何をするのかといったことは決めてあります。そこに『SAO プログレッシブ』で明らかになっている設定が入る場合もあれば、別のところから参考にさせていただくものもあり、そうした形で組み込んで作っているところです。
なるほど。ちなみに、ユーザーの要望で多いものや将来的に実装したいと思っている要素を教えていただけますか?
竹内要望で言うとギルド関連が多かったですね。MMORPGなのでソロで遊ぶ楽しみ方と、他人が操作したキャラクターとコミュニケーションをとりながら遊ぶ楽しみ方の2種類があるので、そうした要素を少しずつ強化していきたいとは思っています。
それから将来的に実装したいと思っているのは、ちょっとした空き時間で遊べるコンテンツです。MMORPG全般に言えることなのですが、ガッツリ時間を取ってゲームをするプレイスタイルと、モバイルとの相性があまり良くない部分があるんですよ。
電車内のちょっとした空き時間などでゲームを遊んで欲しいですし、寝る前のちょっとした時間に遊んでほしいので、そういった部分をかなえられる手軽なコンテンツを実装したいと考えています。
手軽さと言えば、オート機能の導入についてもよくご意見を頂きます。手軽さをかなえる機能としては最適なものなので検討はしています。ただ、オートで動かしてしまうと、他の人が話しかけたのに全然応答してくれなくて寂しかったりするじゃないですか。ですから、全ての場面でオートが使えるようには考えていないですね。ゲームを遊べない時間にもゲームとつながっていられるようなコンテンツを増やすことと併せて、オートの在り方も考えていきます。
短時間でサクッと遊べる要素が増えるのはうれしいですね。
竹内将来的には、もっと“自分が主人公”という部分を押し出したいのですが、あくまでも“SAOの中での自分”であるべきだと考えています。なので、パートナーキャラクター以外に、自分と原作のキャラクターと冒険できる機能も実装したいですね。
それはプレイしているファンも喜ぶと思います!
竹内もちろん、オリジナルのヒロインとしてコハルを打ち出していくつもりです。ただ、現状ではプレイヤーと原作キャラクターの絡みをシナリオの中でしか描けていないんですよ。なので、原作のキャラクターをパートナーにして冒険したり、原作キャラの衣装や装備も選べるようなモードができればいいなと考えています。
いろいろと楽しみですね。本作はアインクラッドが舞台ということなので、他のアプリのように《ALO》や《GGO》の世界観を使ったイベントなどは難しいと思われますが、どのような形を考えておられるのでしょうか。
河合現状ではアバターの衣装程度ですね。
竹内《SAO》特有の世界観を大事にしていきたいので、今のところは《ALO》編や《GGO》編のイベントをする予定はありません。ただ、原作でも魔法のような効果に見えて理由がある設定や描写があるので、そういったところから見せられないかと考えています。
たとえば、『SAOプログレッシブ』で描かれている五層ではブルーベリータルトを食べることで床に落ちている遺物を見つけやすくなるイベントがあるのですが、これは“ブルーベリーが目に良いから”という裏付けがあったうえで魔法のような効果が発生しているんですよ。そういった設定を作りながら《ALO》っぽいイベントや《GGO》っぽいイベントにも挑戦しようとは思っています。
やはり、シノンと言えば《GGO》編のエピソードを連想しがちだとは思いますし、そういったところを別の見せ方でカバーできればと。もちろん、こればかりは原作チームと相談しながら進めないとできないことなので時間がかかるとは思います。
世界観と言えば、個人的に気になったのは今のところ特別な武器が存在しないことですね。見た目はアバター衣装で変えられますが……。
竹内1層から順番に攻略していく作品なので、いきなり最強の状態にするのは諸刃の剣だと思っているんですよ。1層から貧弱な武器を装備して強い敵と戦わなければいけない。これもデスゲームの絶望感に起因してくるところだと思っているので、あえて地味なところから順番に始めています。もちろん、階層が上がるたびに徐々に派手な武器も開放していく予定です。
1つ階層が上がるたびに、直前の階層では頼もしかった装備が、すこし心許なくなるのがリアルですね。
竹内そこもなんとかしたいところではあります。今は前に作った装備のランダムボーナスを引き継げるようになっていますが、それもライトな遊び方ではないと思っていますし、愛着を持った武器を使い続けたいユーザーもいます。そのうえで、もっと武器を生産してもらうにはどうすればいいのかと、色々と検討しているところです。
現在配信されている以降の層では、よりゲームオリジナルの部分が増えてくると思われますが、どのような感じになっていくのでしょうか。
竹内初期のフロアでは、各フロアごとの差別化や印象の違い。季節感や温度感を出すようにしています。第1層は草原が広がっていて穏やかな気候から始まり、2層はサバンナみたいな場所。3層では森林など、空気感と季節感は層ごとに変えていく予定です。
第9層のイメージビジュアル
▲こちらは、第9層のイメージビジュアル。どとなく“秋”を思わせる階層になっています。
雪が降っている階層や現代的な風景が広がる場所も出てきますし、カガチ・ザ・サムライロードが登場する最新の十層は和風になるなど、《SAO》の階層を創造していくにあたって設定から逆算しながら作っています。
となると、今後第1層や第2層以外にも街を実装していく予定はありますか?
河合あります。もう少しお待たせしてしまうとは思いますが、他の街も用意する予定です。(2018年8月末のアップデートで第十層に街が追加された)
現状で、一番制作に苦労した階層はどこですか?
竹内全部ですね。楽な階層はありませんでした。最短でも1階層の制作に1カ月くらいかかってしまいますし、前の階層との差別化も考えないといけません。ある程度の広さも必要になってきて、さらに今後街も増やしていくと考えると、大変さで違いはないですね(笑)。
階層追加を早めてほしいというご要望をたくさん頂くのですが、現状の密度だとこのペースが最速だったりします。
では最後に、『インテグラル・ファクター』のファンへひと言お願いします。
河合自分は企画段階でかかわり、開発や運営という意味では竹内が全面に行っています。本作はMMORPGということで『SAO』のファンにとっては一番理想とするゲームの内容なのではないでしょうか。
『コード・レジスタ』もプレイヤー=主人公でしたが、『インテグラル・ファクター』はプレイヤーたちだけで協力し、自分を中心に世界が回って階層を登っていく。『SAO』ファンとしても楽しい設定になっていると思いますし、自分もユーザー目線で階層をどう攻略していくか楽しみです。みなさんとも、一緒に楽しめるとうれしいですね。
竹内以前、東京ゲームショウで初披露したときに「クローズドβもあるので、みんなで一緒にゲームを作っていきましょう」という話をした記憶があります。その気持ちはまだ変わっていなくて、皆さんの意見も見ていますし、最近は自分名義のツイートも(公式アカウントで)始めました。そこにご意見をいただければ、参考程度になってしまうかもしれませんが全部目を通しますので、引き続き一緒に《アインクラッド》を攻略していきましょう!
一緒に《アインクラッド》を攻略していきましょう!
【河合 泰一】
バンダイナムコエンターテインメントNE事業部、プロデューサー。
代表作に「SAOコード・レジスタ」、「SAOメモリー・デフラグ」など。「ソードアート・オンライン」シリーズのアプリゲームを手掛ける。
【竹内 智彦】
バンダイナムコエンターテインメントNE事業部、プロデューサー。
「SAOインテグラル・ファクター」などを担当。
【 電撃屋 】
電撃の公式オンラインストア SAO商品が充実ラインナップ
公式HP:https://dengekiya.com/shop/b/bS1400123/
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