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『メモデフ』誕生の経緯から好きなキャラクターまでプロデューサー陣に聞いてみた！

バンダイナムコエンターテインメントがサービス中のiOS/Android用アプリ『ソードアート・オンライン メモリー・デフラグ（メモデフ）』。3回にわたって、開発の中心となる2人にお話をうかがいました。

『メモデフ』は3人1組でチームを組み、原作の追体験やオンラインマルチプレイが楽しめるベルトスクロールアクション。『SAO』の世界観を利用した誰でも遊びやすい作品として、現在もさまざまなイベントが実施されています。

本作の誕生の経緯から、好きなキャラクターまで、さまざまなことを自由に話していただきました。

▲左から河合泰一プロデューサー、月田百合香プロデューサー。

アクションを通して原作を追体験できる『メモデフ』

まずは『メモデフ』ができた経緯から教えてください。

河合 企画のスタートは『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が上映される1年半か2年くらい前です。『オーディナル・スケール』にあわせて、『コード・レジスタ』以外にもう1本ゲームを作りたいと思ったのが始まりですね。

『コード・レジスタ』はオリジナルの世界観だったので、こちらは劇場版が始まる前にリリースして“原作のストーリーを追体験しながら思い出し、一緒に劇場版で盛り上がろう”というコンセプトで企画を立案しました。

最初からストーリークエストがメインだったのですね。現在、メインストーリーは《GGO》編までシナリオが実装されており、イベントでレンやピトフーイといったキャラクターも登場していますが、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』のシナリオも実装する予定があるのでしょうか？

▲アニメ化され、人気を博した『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』。

月田 この作品に関してはスピンアウト作品ですので、今のところはキャラクターやイベントに留める形を考えています。国内だけではなく海外のユーザーさんからも、早く『SAO』のメインストーリーを追加してほしいと要望が届いているので……。

国内だけではなく、海外からもメインストーリー追加の要望があるのですね。

河合 すごく言われます。これからは、スピードアップしつつ《キャリバー》編や《マザーズロザリオ》編。《オーディナル・スケール》など、まだまだたくさんあるメインシナリオを回収していければと。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』については、イベントクエストがありましたが、メインシナリオのなかに組み込まれる予定はあるのでしょうか？

河合僕はいつかやりたいと思っています。

『今までで一番たいへんだったゲーム内イベントを教えてください。

月田う～ん、ないですね。

河合ないんかい！（笑）

月田というのも、私は途中から参加しているので（笑）。河合さんはいかがですか？

河合1周年記念の時に作ったアリアンロッドのイベントが印象深いかな。彼女はヒースクリフの魂が乗り移ったようなキャラクターなのですが、ヒースクリフは原作でも大事に扱わないといけないキャラクターだったので、彼女を軸に話を作るのが難しかったです。

▲アリアンロッドは女性ですが、ヒースクリフとどこか似た風貌のキャラクターです。

それから、他のゲームでもそうですがアリスとユージオを出すのも難しかった。ストーリーの整合性というよりも《アリシゼーション》編のアニメが予定されているので、その前にキリトたちと出会ってしまっていいのかどうかというところがありました。

結局『メモデフ』では、あの世界に存在するアリスとユージオがウルズの頼みを聞き、神器を集めるために《ALO》にやってきて、かつ1年くらい《ALO》の世界にいるという設定を作っています。そこを原作チームなどの各所と調整するのが大変でした。みなさんが納得する設定がなかなかできなくて、半年くらい時間をかけています。

コンシューマーでもゲームを展開していますが、あちらに出てくるアリスとユージオの設定とも違いますね。

河合そうなんですよ。それぞれの作品でアリスとユージオが出てくる設定を考えているので、いろいろな設定やパターンが入り乱れてカオスでした（笑）。アレが一番苦労したかな。あとは、最初のマルチプレイイベントを始めるまでが……。

リリースしてから二週間後くらいにオンラインで同期したマルチプレイを解放したのですが、内々でテストしていたものの想定以上にユーザーが集まって、この人数でマルチプレイをいきなりやるのかと不安でした。最終的に細かな不具合はありつつも、ほぼ問題なく動いたのですがシビれましたね（笑）。

いろいろ苦労されていますね。では、そろそろ話題を変えて……。月田さんにお聞きしたいのですが、メインキャラクターでお気に入りのキャラクターはいますか？

月田《GGO》でのキリトが好きです。理由はカワイイから。

河合なにその理由。

月田カワイイし、強いし、カッコいい！　《GGO》バージョンのキリト。

▲カワイイし、強いし、カッコいい！

河合小学生か！（笑）　僕は、メインキャラクターと言っていいのか悩みますが新川くん。昔から、二見に「河合はSAOのキャラクターで言うと新川くんだ」と言われていたので、シンパシーを感じています。

▲こちらは新川くんのアバター・シュピーゲル。大変インパクトのあるキャラクターです。

月田ただのヤバイやつだ（笑）。

河合だからシンパシーを感じているんですけど、オベイロンも好きですよ。

月田どっちにしろヤバイやつですよね！

河合メインキャラだとリズベットかなー。ボクがもっと若かったらアスナだと言っていたかもしれませんが、年を重ねたのでリズベット。親友のことを思って一歩引くけど陰では泣いちゃうような健気な女性で、嫁にするならリズベットのような女性がいいですね（笑）。

月田さんは《GGO》キリトが好きとのことですが、具体的にお気に入りのエピソードや描写はありますか？

月田弾丸を斬りながら敵に向かっていく姿がムチャクチャカッコ良いんですよ。他の人にはない瞬発力があって……。《SAO》で活躍していたキリトが《GGO》の世界ではこういう戦い方をする、というのが表れていてカッコ良かったシーンです。

逆に、敵キャラクターのお気に入りは？

河合先ほども言った新川くんとオベイロン。彼らのように、自分の欲望に忠実でいろいろな人を巻き込めるのはすごくうらやましい。アスナを捕らえた時の吊るし方にもオベイロンのこだわりを感じます。服の破り方や捕らえ方に、彼の奥底に眠るフェティシズムが出ていてこう来るのかと。もし、自分が同じ力を手にしたら、ああいうことをやりたいですね！

▲オベイロンがどんなことをやったのか……。アニメを見たり『メモデフ』を遊んだ人ならご存知ですね。

月田その発言、本当に大丈夫ですか（笑）。

河合いや、あんなに自由奔放な行動に移せるのはうらやましくないですか？　……確かにこんなことを言ってて大丈夫かな……？（笑）

普段聞けないようなことが聞けて楽しいですよ（笑）。

河合オベイロンのようなキャラクターは、なかなかいないですから。子安武人さんの声もバッチリ合っているんですよ。ヒースクリフは壮大な思想のもとに行動していますし、死銃にも戦う理由がありますが、オベイロンは欲望に一直線なキャラクター。すごく好きです。

月田私は敵キャラなら赤眼のザザです。特に好きなエピソードはないのですが、あいつが出てくるとおもしろいんですよ。

河合エピソードないんかい！　『メモデフ』だと、ザザはあまり出てきてないけどね。

月田キャラクタースカウトにいるじゃないですか。なんか「おっ、来たな！」って感じがするんですよ。『メモデフ』では存在感が薄いところも好きです。

河合きっと月田が存在感増やしてくれます（笑）。

月田冗談はともかく、彼は死銃の前身とも言えるキャラクターですよね。赤眼のザザがあって死銃へ至るので、大事なキャラだと思います。デスガンのオリジンです。

原作キャラクターへの思い入れがよくわかりました。本作にはオリジナルのキャラクターもいますが、彼らはどのような意図で作られているのでしょうか？

河合『コード・レジスタ』はオリジナルキャラクターが多いのですが、本作は原作やアニメのストーリーが優先なのでそこまで多くないんですよ。

また、いきなり完全なオリジナルキャラクターを作るというよりもアリアンロッドのように原作で出てきた印象深いキャラクターの影を背負っていたり、面影があったりといったユーザーのフックになりやすい作り方をしています。

ヒースクリフは原作でも狂気的なキャラクターですが、その人となりが描かれているところは少ないですから、アリアンロッドのイベントではヒースクリフと師弟関係。そこまではいかないかもしれませんが彼に戦い方を教えてもらうやり取りがあって、キリト目線のアニメでは描かれないゲーム独自の描き方をしました。

基本的には原作とオリジナルキャラクターを絡めることで、原作を深掘りできるようなキャラクターを作りたいと考えています。『メモデフ』は、あくまでもアニメ準拠、原作準拠のゲームなので、そういう作り方ですね。もちろん、今後はまた作り方が変わってくるかもしれません。

なるほど。ユーザーと一緒に深堀りしていくとのことですが、ユーザーの意見が運営やデザインの参考になったこともありましたか？

河合キャラのモチーフに関しては「今回のスカウトで出したキャラクターには、こんな反応をしてくれる」といった部分をTwitterで見ています。どのような衣装やモチーフが受けるのか、参考にさせていただいている部分もありますね。

以前、子どもの日に“【こどもじゃないもん】アスナ”と“【お姉さん気分】ユウキ”という子どもバージョンのアスナたちを出したのですが、アレが信じられないくらい評判がよくて……。もちろん、好かれると思って出したものではありますが、こちらの予想を超えていました。

月田「尊い、尊い」と言われてました。

河合あそこまで小さなアスナの姿は見たことがない、ということでも反響が大きかったですね。ユウキも幼いキャラクターとして出したのですが、その割には胸があるなど、こちらが予想もしていないところで盛り上がってくれていたのがおもしろいなと。

反響がよかったということは、子どもバージョンがシリーズ化して続く可能性も……？

河合検討したくなるくらいの予想外な反響でした。月初にも、カッコいいキャラクターや強いスキルを用意していたのですが、それを上回る反響になったので本当にわからないです。ラインナップに関しては、特にユーザーの反響を見ながら考えていますね。近々のラインナップに関しても、実際にキャラクターを出して反響を見て、どこがいいのか、どこがダメなのかを確認して変えています。

外見もそうですが、スキルや性能面に関してもユーザーの反応を見て変えている部分が？

河合スキルに関しても、実際に手に入れてくださったお客様から「この場面で有効だった」「このボスには強かった」など、さまざまな声をいただいています。そういった意見も参考として目を通していますよ。

そう考えると、SNSでゲームの感想をつぶやくのは意外と意味があるのですね。

河合そうですね。Twitterもプロデューサーだけではなく、開発スタッフのほぼ全員が意見を見て参考にさせていただいています。

月田河合が言いたいことをすべて言ったので、私のほうからは特にないですね。

河合ないんかい！

• 第三回　河合プロデューサー×月田プロデューサー
• Vol.1：◆『メモデフ』誕生の経緯から好きなキャラクターまでプロデューサー陣に聞いてみた！
• Vol.2：◆ワールドワイドで盛り上がる『メモデフ』
• Vol.3：◆原作をより楽しむために作られる『メモデフ』のストーリー。月田P＆河合Pが明かす今後の展望は？NEW
• 第二回　竹内プロデューサー×河合プロデューサー
• Vol.1：◆エギル愛が暴走した話も！？　竹内プロデューサー×河合プロデューサーに今だから話せる『コード・レジスタ』秘話を聞いてみた
• Vol.2：◆『コード・レジスタ』から最新作『インテグラル・ファクター』まで今だから話せる秘密を暴露！
• Vol.3：◆最新作『インテグラル・ファクター』の制作秘話から今後の展開まで！「すでに100層までの設定は用意しています」
• 第一回　南プロデューサー
• Vol.1：◆ゲームでも“キリト最強”は遵守すべきポイント！
• Vol.2：◆DLCやバランス調整でまだまだ進化していく『SAO FB』
• Vol.3：◆二見Pに抱いていたイメージは！？