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電撃オンライン編集部がSAOゲームプロデューサー5名に直撃インタビュー!
第三回:河合プロデューサー×月田プロデューサー(Vol.2)

『メモデフ』誕生の経緯から好きなキャラクターまでプロデューサー陣に聞いてみた!

バンダイナムコエンターテインメントがサービス中のiOS/Android用アプリ『ソードアート・オンライン メモリー・デフラグ(メモデフ)』。3回にわたって、開発の中心となる2人にお話をうかがいました。

『メモデフ』は3人1組でチームを組み、原作の追体験やオンラインマルチプレイが楽しめるベルトスクロールアクション。『SAO』の世界観を利用した誰でも遊びやすい作品として、現在もさまざまなイベントが実施されています。

インタビューの第2回では、前回に引き続いて『メモデフ』開発の悩みや秘密を直撃。世界で展開する『メモデフ』ならではの魅力も語ってもらいました。

河合泰一プロデューサー、月田百合香プロデューサー
▲左から河合泰一プロデューサー、月田百合香プロデューサー。

ワールドワイドで盛り上がる『メモデフ』

『メモデフ』を作るうえで、楽しいと感じたところや大変だと思った部分を教えてください。
月田いろいろな服を着せられるのが楽しいです。私はイラスト周りを見ていて、絵の調整やディレクションもしているのですが「こうしたほうがカワイイ」「こういうポーズをとらせたい」といったことや、服に合わせてどんな表情をさせるべきかといったことを常に考えています。
特に、服装やビジュアル面で気に入ったイラストはありますか?
月田海外の1周年を記念して着せた民族衣装がお気に入りです。河合Pのお気に入りは、星条旗ビキニ姿のアスナでしたね。
星条旗ビキニ姿のアスナ
河合あれは、昔のアメリカ映画のポスターに出てくるようなイメージで作りました。『メモデフ』はワールドワイドに50カ国くらいで配信しているので、中国だったらチャイナドレス。韓国ならチマチョゴリ。ドイツならディアンドルと、海外を含めたモチーフで衣装を展開できるのが良いところです。
『SAO』自体も現在進行形で盛り上がっているコンテンツですし、アニメや原作の展開とリンクした施策やイベント。モチーフなども使えるんですよ。ゲーム単体だけではなくコンテンツ全体で盛り上がりを作れるし、作らせていただける環境を提供していただけるので、すごくやりがいがあります。
月田原作物はキャラクターをお預かりしている立場なので変わった服を着せるのが難しい部分もあるのですが、その点『SAO』はユーザーが喜ぶものながら原作チームの方々が許容してくれるんですよ。こちらから提案したものを自由に作らせていただけるのも大きいと思います。
『メモデフ』は、特にアニメをベースの『SAO』のストーリーを追体験する形を取っていますが、作るうえで注意した点はありますか?
河合ダイジェストで話を読ませないことですね。それではおもしろくないので、バトル中に原作再現をすることを大事にしています。
たとえば、ロザリアと戦うところも単純にアニメの動きを再現するのではなく、彼女と同じギルドのキャラクターをイヤらしい感じで動かして、ロザリアを中心にプレイヤーを邪魔するところを再現しています。遊んでいるときに「ああ、あのシーンはこうだったな」と感じてもらえるものをバトル中に体験してもらいたかったんです。
ヒースクリフと一対一でバトルをするところも、3人パーティのゲームですがあえて1キャラしか使えないようにしています。開発当初から、バトル中での再現についてはこだわっていました。
  • 単純にアニメの動きを再現するのではなく
  • バトル中での再現についてはこだわっていました。
クラディールも麻痺を多用してくるので、初見だと苦労しました。
河合シーンの再現については、当然アニメや原作のほうが上なので、本作では再現というよりも遊びの中で感じてもらえる方向を優先しています。
ちなみに、開発期間はどれくらいかかったのでしょうか? 開発中に「ヤバい!」と思った出来事はありますか?
河合開発は1年半くらいです。『メモデフ』の開発中にヤバイと思ったことはあまりないです。
月田最初から順調でした?
河合アプリとしては『エンドワールド』から始まる4作目ですし、制作も比較的順調でした。ただ、アクションの手触りに関しては苦労したかな……。
最初の企画では横持ちだったのですが、それだとアクションに特化したゲームになってしまうんですよ。ライトさが薄れてしまうと“劇場版に向けて幅広い人に楽しんでもらいたい”という狙いとズレてしまう。ライトに寄せるため、ワンハンドで遊べるアクションになりました。
ワールドワイドで何十カ国も同時に運営しているので、そういった点も大変なところです。中国なら旧正月に合わせるなど、国によって微妙に変えている部分もあるのですが、基本の施策は全部同時なんですよ。ローカライズからバランス調整まで本当にやることが多いです。アップデートも、次はどこの地域の意見を取り入れるかといったワールドワイド故の悩みがあります。
日本だけではなくて、世界で同時に動かしているんですね。海外ユーザーならではの反応もありますか?
河合日本のユーザーは共闘を好みますが、海外はPvPの対戦を好むといった違いがあります。国や地域によって、人気がある武器種やキャラクターも変わりますね。
月田前に自動銃という新しい武器種を取り入れたのですが、そのときは北米の反響がとても良かったです。
『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』のキャラたちも登場
▲自動銃とともに、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』のキャラたちも登場しました。
河合ヨーロッパやアメリカでは銃を使うキャラクターが人気で、キリト、アスナ、死銃の人気が高い。アジアだと《SAO》のキリトたち剣を使うキャラクターが人気です。
海外ではサムライのようなモチーフも好まれるようで、北米ではクラインが人気です。刀を使うキャラクターなので、彼を見てサムライを連想するのかもしれません。アンケートをすると、国によって全然人気の傾向が違うので興味深いですよ。
北米ではクラインが人気
どちらかというと、ユーザーは性能よりも見た目を重視している傾向にあると?
河合もちろん性能ありきなのですが、たまにモチーフでとてつもない反響があります。ビジュアルが人気に結びつくこともあり、キャラクターを登場させるスケジュールやラインナップを考えるときに頭を悩ます部分でもあります。
ちなみに、制作中にNGになったキャラクターやシステムがあったら教えてください。
河合NGではないですが、マルチプレイはローンチの時点で実装している予定でした。本当にたくさんの人が一斉に遊んでくれたので、この状態でマルチプレイを開放したら大変なことになってしまうのではないかと危惧して、調整期間をいただいています。
マルチプレイは同期をとらないといけないので、ラグやちょっとしたズレでラストにトドメを刺した人が変わってしまったり、PvPでの勝敗にも影響してきたりするので、かなりセンシティブなんです。
そこの調整をしなくてはならず、サービス開始時にたくさんのお客様が来てくれたのがすごくうれしい反面、マルチプレイの開始をずらさざるを得なかったところがありました。
PvPと言えば“ゲーム攻略会議2018”で、国内初のオフラインでのトーナメントを行いましたね。第2回の予定は?
月田いつごろになるかはわかりませんが、もちろんやります!!
河合第2回もやりたいですね。前回は、集まってくれたユーザーさん同士で仲良くなってくれているところも見られましたし、攻略会議をやって本当に良かったと思っています。アプリのゲームは、お客様と顔を突き合わせてコミュニケーションを取ることが難しく、あのような場を設けられたのは、ファンの皆さんだけでなく、制作側にとっても非常に良いことだったと思います。
月田PvPの大会は韓国や台湾などでも開催されているんですよ。この前、韓国の大会に行ってきたのですが、世界で1番うまいのではないかというくらい上手でびっくりしました。
韓国はネットゲームが好きな人が多いイメージがあるので、そういった大会は得意そうですね。大会には何人くらい参加されていたのですか?
月田ネットで募集をかけてから、60人くらいに厳選してトーナメントを行いました。
河合攻略会議ではベスト16くらいだったので、韓国の大会のほうが人数が多いです。PvPのポイントで50万オーバーを記録する人も多く、大会の後に我々でデモンストレーションを行うような話もあったのですが、このあとに遊んだら失望されてしまうので辞退しました(笑)。
月田私たちで挑むと、最高でも5万ポイントくらいしか取れないですからねー。
河合さすがに、もっととれますよ(笑)! 日本のユーザーさんも上手い方が多いですし、いずれはワールドワイドで大会を開ければとも思います。
攻略会議2018の様子を見て思ったのですが、女性のプレイヤーも多いように感じました。
河合そうですね。日本でも女性ユーザーが多いのですが、台湾のイベントではトッププレイヤーが若い女性の方でした。そのプレイヤーに対するファンもついていて、独特な盛り上がり方をしているのが印象的です。女性の方で上手な方もたくさんいますし、トーナメントでも女性の方がよく参加されています。
今後は、女性が喜ぶようなキャラクターの追加も視野に入れた方がよさそうですね。
河合子どもの日のキャラクターで、ちびっ子のキリトを作ったら喜ばれるかもしれません。
(第3回に続く)
【河合 泰一】
バンダイナムコエンターテインメントNE事業部、プロデューサー。
代表作に「SAOコード・レジスタ」、「SAOメモリー・デフラグ」など。「ソードアート・オンライン」シリーズのアプリゲームを手掛ける。
【月田 百合香】
バンダイナムコエンターテインメントNE事業部、プロデューサー。
「SAOメモリー・デフラグ」などを担当。
【 電撃屋 】
電撃の公式オンラインストア SAO商品が充実ラインナップ
公式HP:https://dengekiya.com/shop/b/bS1400123/
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