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電撃オンライン編集部がSAOゲームプロデューサー5名に直撃インタビュー!
第四回:二見プロデューサー(Vol.1)
今だから振り返る、『SAO』ゲームの歴史
▲二見 鷹介プロデューサー
- すでに各所で語り尽くしたことかも知れませんが、改めて『ソードアート・オンライン(以下、SAO)』のゲームを作ろうと思った時期やきっかけからお聞かせください。
- 二見 2011年に、PSP®用ソフト『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル』を発売させていただいた後に、『SAO』の原作小説の担当編集でもあった三木一馬さんと打ち上げに行ったんです。
▲『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル』- 二見 その辺りから、三木さん、作家の先生、電撃さんとお仕事するのがとても楽しいと感じていて、『俺の妹P』に続くものを考えようかな……というところでした。
- それが2011年くらいのことだと。
- 二見 はい。まだ『SAO』のアニメ化が内部で決定される前ですね。僕から三木さんに電話して「『SAO』のゲームをやらせてほしい」と伝えました。
- 二見さんから言ったんですね。
- 二見 ええ、僕から言いました。発表されたのが“電撃文庫 秋の祭典2011”で、その年の春にはもう三木さんにはお話をして、制作の準備を進めていました。
- 企画として考えていたのは、もっと前からですか?
- 二見 そうですね。『俺の妹P』が終わるちょっと前、2010年の秋口から年末くらい。もともと『SAO』を知っていたというよりは、次の作品を考えた時に三木さんが関わっている文庫作品を本屋であとがきから探して、買い漁りました(笑)そのなかで僕が一番心に響いた作品が『SAO』だったんです。
▲電撃文庫『ソードアート・オンライン』第1巻の表紙。- 原作『SAO』のどの辺が二見さんの心に届いたのしょう?
- 二見 『SAO』の場合もそうですが、ゲーム化して「イケる!」という計算ではなく、感情が揺さぶられた作品に対して「ゲームに落としこんだらどうなるんだろう?」という興味が先に働いたように思います。
- 『SAO』って、命の重みに対してひどく残酷に書かれていると思うんです。これは川原先生に直接聞いたわけではないんですが、デジタルの中でしか生きられない少年少女たちの青春の擦り切れた感じ。これって結構、残酷だと思うんですね。
- 僕が15~17歳の時って、部活やカラオケ、ゲームも普通に遊んでいて、普通の高校生として暮らしていました。キリトたちはそれができなくて、剣士であることでしか生きられない。《アインクラッド》は、その中で死んでしまったら、現実世界でも本当に死んでしまう、そんな場所です。
- デジタルの中での命の燃やし方と、リアルの世界での青春の燃やし方の境目みたいな作品で、ゲームをプレイしているわけだけど、実際は必死で、命がけでかんばっている。そんな人間たちの姿を、キリトを中心に描いているところが『SAO』の魅力なんだと、僕は思っています。それが読んでいる人にも自然に伝わって人気につながっているんだと思いますし、当然僕も伝わってきました。
- 確かに『SAO』ではどのシリーズも、何らかの形で“死”というものが関わってきますよね。
- 二見 “死”とどこかでつながっていることこそがリアルの延長というか、「デジタルの世界も僕らの世界なんだよ」とのメッセージが込められていると感じましたね。
- そんな作品の世界観をゲームに落としこむ際に注意されたことは?
- 二見 そもそも否定されるところからのスタートだったんです。もともと『SAO』ってVRMMOゲームじゃないですか。それを1作目のハードは、PSP®。僕は、ユーザーから物を投げれらても仕方ないと思っていました。過去に三木さんにも「『SAO』のゲームならVRだろ!」って言われましたし(笑)。ですので、逆に最初は気にせず……世界観をどういう風に楽しませるのかしか考えていませんでした。
- 作品自体のおもしろさもあったとは思いますが、三木さんがゲーム作りへの理解が深かったということでしょうか?
- 二見 『俺の妹P』では、結構ぶつかった感じでしたが(笑)。原作とは変えたい、変えないほうがいいとか、制作をしながら乗り越えさせていただきました。その結果、いい形のゲームができあがって今の『SAO』につながったのかなと思います。
- たしかにキャラクターゲームという枠のなかでは『俺の妹P』は特殊でしたよね。βeater's cafeで語ることじゃないのかもしれませんが(笑)。
- 二見 『俺の妹P』は原作の世界観の中で、最大に拡大解釈した点では、ある意味“キャラクターゲームの終着地点”に近いのかなと思いました。プロモーションも斬新でしたし……だいぶ無茶しましたけれど(苦笑)。
- キャラクターゲームとしてのあり方を確立したのが『俺の妹P』で、アドベンチャーゲーム以外のアプローチをしてみたいと作り始めたのが『SAO』のゲームシリーズですね。
(vol.2に続く)
バンダイナムコエンターテインメントCE事業部、『SAO』ゲームシリーズ総合プロデューサー。
シリーズ第1作『SAO -インフィニティ・モーメント-』からプロデューサーを担当し、現在では『SAO』ゲームシリーズ全体を総括する。
【 電撃屋 】
電撃の公式オンラインストア SAO商品が充実ラインナップ
公式HP:https://dengekiya.com/shop/b/bS1400123/
- 第四回 二見プロデューサー
- Vol.1:◆今だから振り返る、『SAO』ゲームの歴史
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- Vol.4:◆タイトルごとに『SAO』ゲームを振り返る(その1)
- Vol.4 その2:◆タイトルごとに『SAO』ゲームを振り返る(その2)NEW
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